
しとしと雨が降りしきる多摩川で、石拾いをしていた時に見つけた、不思議な石。
脈の入り方のせいか、雨に濡れてやけにつるつるしていたせいか、手に取ってみても何の石だかわかりませんでした。
多摩川の川辺に転がっている石なので、いわゆる価値のある石ではないでしょう。
しかし、黒い脈が怪しさをだしていて、「もしかしたら宝石か!?」なんて期待してしまうのです。
持ち帰り割ってみたところ、ハンマーを跳ね返すこともなく、何かにそったように割れました。黒脈にそったのでしょうか。
一体何の石なのか?結論としては普通のよくある石と判断したのですが、調べたことを記録します。
黒脈軟石(仮)を観察して特徴を知る

思い当たる言葉でネットで検索をかけましたが、思ったように情報が集まりませんでした。
そこで、改めて不思議な石を観察してみることにしました。
- 濃いグレー、ほとんど黒といってもいい。黒ずんでいるという印象もある。
- 脈は墨のような黒色である。
- 薄く剥がれそうになる。実際に剥がれる。
- あまり入れずにパカンと割れた。
- 波打ったように割れた断面はしっとりとした光り方、肌触りである。
- 重さは普通。特に重くもなく、軽くもない。
改めて観察してみると、いろいろ気づくことがありますね。
石の種類を調べる時のポイント
石の種類を調べるためには、やはり注意深く石を観てみる必要があります。
世の中にはたくさんの石博士さんがいます。素敵な石博士さんたちはどのようにして石を調べているのか、調べる方法を勉強してみました。
- よく見る、色や表面をよく見てみる
- 触ってみる、引っかいてみる
- 光をあててみる
- 割ってみる
- 重さを測ってみる
- 液体につけてみる
- 拾った場所の地層を調べてみる
- そして、本を読んだりインターネットで検索して、考えてみる
“調べる方法を調べて”みたら、博士さんたちは色々なことをしていることがわかりました。
中には特殊な道具や材料が必要なこともありましたが、すぐに出来そうなこともたくさんあります。
“調べたこと”でもう一回不思議な石を観察してみることにします。
不思議な石はおそらくチャート
色々調べましたが、結論としてはチャートであると判断しました。
多摩川や色々な川でごくありふれている岩石です。自分の中でチャートはゴツゴツしたものというイメージがあったので、あれこれ考えてしまったのですね。
チャートに関しては別の記事を記録しています。

チャートと思った瞬間、正直がっかりしました。「ありふれた石」という印象があるからです。
でも思い返してみれば“調べる方法を調べて”みることで、色々な知識を身に付けることができました。ありがとう。不思議石。
チャートと判断した理由
チャートと判断した理由はいくつかあります。
一つ目は割れ方です。わかりにくいですが、この石の割れた表面は、波打っているような割れ方になっています。
これはおそらく「貝殻状断口」という割れ方で、チャートや石英たっぷり系の石によく見られる割れ方とのこと。まさに。
もう一つは光り方。光沢ですね。
ネットで色々調べた結果、おそらく「脂肪光沢」に近いのでは?思いました。一瞬ガラス状に思える感触ですが、しっとりとした肌感にちょっと濁った光を放つからです。
瑪瑙なども脂肪光沢の部類に入ります。チャートも成分的には石英グループとおなじ二酸化ケイ素が主成分なので、同じような光を放つのではないかと思ったのです。

そして最後に、wikiのチャートページの画像、色は違うけど見た目の感じが、、、そっくりじゃんかー!!!無念じゃー!