写真の石は、埼玉県日高市にある大宮鉱山跡で拾ってきました。
焦げたように煤(すす)けた表面で、うすいミルクティーみたいな色をしています。
この鉱物は菱(りょう)マンガン鉱といい、マンガンを得るための鉱物です。そもそもマンガンがよくわかっていなくて恐縮ですが。
周りの黒い部分は石が酸化してしまった結果です。酸化したマンガンは理科の実験で使った二酸化マンガンとなります。
触ると煤(すす)のように黒い粉が指につきますので、扱いにはちょっと注意した方がいいかもしれませんね。
菱マンガン鉱(ロードクロサイト)はピンクや赤いイメージ
ロードクロサイト(rhodochrosite)とは「バラ色の石」という意味です。
よってロードクロサイトで画像検索をかけると、ピンクや赤のバラ色半透明の鉱物画像がたくさん出てきます。
しかし日本で産出される菱マンガン鉱は不純物が多いため、残念ながらピンクや赤い色ではあまり算出されません。
どちらかというとうっすいミルクティーみたいな、黄灰色・白褐色の石が多く算出されます。
かつおぶし鉱とよばれることも
うっすいミルクティーみたいな日本産菱マンガン鉱は、黄灰色と周りの黒さから「かつおぶし鉱」と呼ばれることもあるそうです。
バラとはほど遠いあだ名ですね。
![かつおぶし鉱と呼ばれることもある](https://ishihiroi.com/cms/wp-content/uploads/2020/02/P1050118-1024x576.jpg)
確かに。確かに見方や模様・光の角度によっては似てます。出汁が取れそうです。
よく見るとうっすらピンクの部分もある
![大宮鉱山のマンガン鉱物](https://ishihiroi.com/cms/wp-content/uploads/2020/02/P1050152-1024x576.jpg)
よくよく見てみると、ピンクの部分もあります。
![](https://ishihiroi.com/cms/wp-content/uploads/2020/02/P1050152-1-1024x576.jpg)
とても綺麗なほんのりピンクです。
石によっては全体的にピンク色でバラ色のものもあるみたいですが、残念ながら見つけることはできませんでした。
外見は真っ黒で、割ってみないとわからなかったからです。残念。
デジタルマイクロスコープで拡大してみた
いつものようにデジタルマイクロスコープで観察してみました。
![菱マンガン鉱のバラ色部分拡大](https://ishihiroi.com/cms/wp-content/uploads/2020/02/pinkuman.jpg)
なんともはかないピンク色、もといバラ色ですね。素敵。
かつおぶしチックなところも確認してみました。
![大宮鉱山菱マンガン鉱表面の拡大写真](https://ishihiroi.com/cms/wp-content/uploads/2020/02/pinkuman02.jpg)
うーん出汁の香りがしてきます!!